http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120319/trl12031915420010-n1.htm
節約は「政治家の心構え」 報告聞かないのとはレベルの違う問題
2012.3.19 15:41 [小沢被告公判 最終弁論]車で東京地裁入りする小沢一郎被告=19日午前9時41分
(13:30〜14:30)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の公判は約1時間半の休憩を挟み、午後の審理が再開された》
《引き続き、弁護側の最終弁論が続けられる。大善文男裁判長が小沢被告の入廷を呼びかける。少し間があいて姿を現した小沢被告。大善裁判長に一礼した後、ゆっくりと席についた。手には茶の紙袋を持っている》
《検察官役の指定弁護士側は、小沢被告が土地購入のために秘書らに用立てた4億円が表に出せない金であったと推察。秘書らが存在をあらわにさせないように登記時期をずらすなどしたと論告で指摘した。弁護側は、この点への反論から入る》
《弁護側は元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴中=と、池田光智元秘書=同=との間の引き継ぎ状況がうまく行っていなかった点を挙げ、言い切る》弁護人「仮に石川に被告からの4億円を隠す計画的な意図があったのであれば、石川は、そのつじつま合わせの方法を池田に具体的に指示していなければ不自然かつ不合理である」
《弁護側は、こう指摘した上で、隠蔽(いんぺい)の意図は毛頭なかったと主張。小沢被告の提供した4億円についても言及していく》
《小沢被告は平成16年10月、土地購入の資金4億円を石川議員らの求めに応じて提供する際に「ちゃんと戻せよ」と伝えたという》
《指定弁護士側は、この点を挙げ、4億円は小沢被告が陸山会に対しての「貸し付けだった」とし、16年分の収支報告書に計上しなかったことは、虚偽記載にあたるとしていた》
《弁護側は、この点についても反論する》弁護人「被告が4億円を渡した時点では、この4億円を、どのような形で利用するかについては、何も決まっていなかった」
《弁護側は、こう切り出した上で、(1)そのまま土地購入などの支払いに充てられる(2)4億円を担保にして、小沢被告名義で定期預金を組み、それを転借する方法−などの選択肢が4億円の提供時点にはあったとした》
《その上で、弁護側は今回採られた(2)のケースでは、提供時点では消費貸借目的ではなく、少なくとも貸し付けではなかったと強調し、こうまとめた》弁護人「こうした実態に照らせば、被告が4億円を渡した時点で、被告と陸山会との間に金銭消費貸借契約が成立したとは評価できず、この時点で陸山会の収入となったは評価できない」
《さらに弁護側は続ける。指定弁護士側は、石川議員が、手渡された4億円を陸山会の複数の口座に分散入金していた事実を挙げて、小沢被告からの貸し付けを隠蔽する意図があったことを印象づけた》
《弁護側はこの行為についても、4億円が提供時に使途が未確定だったとした上で反論する》
弁護人「被告が陸山会に用立てる4億円を、石川が被告の秘書としての立場で預かり、石川が陸山会名義の預金口座を管理する立場にあったことから、被告が預かった4億円を保管する場所として、便宜的に陸山会名義の預金口座を利用したものと解するべきである」
「このように、石川が被告から4億円を受け取り、陸山会名義の預金口座に入金した時点では、被告と陸山会との間に金銭消費貸借契約は成立しておらず、陸山会の収入となっていないので、収支報告書に計上する必要はない」《弁護側は、政治資金収支報告書の記載状況にも踏み込む》
弁護人「不動産の取得を収支報告書に記載する場合、当該不動産の所有権が取得者に移転した日を『資産』の取得日として計上するのが原則的な会計処理であると考えられる」
「従って、本件においても、いつの時点で本件土地の所有権が不動産会社から陸山会に移転したといえるのかを検討しなければならない」《こう述べた後、弁護側は、不動産会社など当事者から時期をずらずことに異論が出ていなかったとして正当性を訴える》
弁護人「石川としては、それがいかなる法的意味を有しているかまでは別として、少なくとも『平成16年分の収支報告書に記載すべき取引』ではなく、『平成17年の収支報告書に記載すべき取引』にしたい程度の意向を持っていたことは明らかである」
《いつもは、じっと目を閉じて前を向いている小沢被告だが、この日は、時折まゆをひそめるなどし、うつむく場面が多い》
《弁護人は、政治資金規正法上からも適正に記載がなされたと主張。検察官役の指定弁護士の論告に対する細部についても反論していく》
《石川議員の公判での供述を例に挙げるなどし、指定弁護士の論理矛盾を次々と訴える。さらに…。小沢被告が会計処理などについて、秘書まかせにしていたとする点の合理性も述べる》弁護人「秘書に任せたことは秘書にその判断でやらせ、被告が口だしすることもなく、また秘書の方もいちいち報告することもなかった」
「特に、事務的な問題は完全に秘書に任せていた。これは事実であり、政治家である被告と秘書との役割分担からしても自然なことだった」《弁護側は、小沢被告が会合や国会、各種委員会など多忙な業務を抱え、政治活動からほど遠い、後援会事務にあたる政治資金収支報告書の作成に関与しないのは当然のことだと主張した》
《さらに、小沢被告が常々、秘書らに節約を心がけるように指導していていたことから、政治資金の収支報告を聞いていなかったのは不自然とした指定弁護士側の指摘にも答える》弁護人「費用について心がけるというのは、人間としてあるいは政治家としての心構えの問題であり、個別の事務遂行を秘書の裁量に委ねていたということとレベルの異なる問題」
《反論を続ける弁護側。小沢被告は、イスを座り直したり、うつむく場面もみられるなど、少し落ち着かない》
公判の記録(NHK) もくじ | |
■ 小沢氏“天下国家に全力集中” (動画あり) ■ 小沢氏 4億円は“相続など” (動画あり) ■ 小沢氏“政治以外は秘書に” (動画あり) ■ 小沢氏裁判 資金出所などが焦点に ■ 小沢元代表裁判 被告人質問へ (動画あり) ■ 小沢氏裁判(1)秘書との関係は ■ 小沢氏裁判(2)土地取引について ■ 小沢氏裁判(3)4億円出どころは ■ 小沢氏裁判(4)銀行融資について ■ 小沢氏裁判(5)虚偽記載の指示は ■ 小沢氏裁判(6)捜査の影響は ■ 小沢氏裁判(7)協議や報告はない ■ 小沢氏裁判(8)規正法への認識は ■ 小沢氏裁判(9)不動産について ■ 小沢氏裁判(10)土地購入の経緯 ■ 小沢氏裁判(11)“秘書の裁量” ■ 政治資金報告の姿勢など質問 (動画あり) ■ 小沢氏裁判(12)現金受け渡しは |
■ 小沢氏裁判(13)銀行取り引きは ■ 小沢氏裁判(14)金の取り扱い ■ 小沢氏裁判(15)秘書は“家族” ■ 小沢氏裁判(16)4億円の金利は ■ 小沢氏裁判(17)供述の“変遷” ■ 小沢氏裁判(18)情報公開の姿勢 ■ 小沢氏裁判(19)収支報告見ない ■ 小沢氏裁判(20)個人口座は ■ 小沢氏裁判(21)4億円の返還 ■ 小沢氏裁判(22)法律を巡って ■ 小沢氏裁判(23)土地について ■ 小沢氏裁判(24)調書の内容 ■ 小沢氏裁判(25)裁判官の質問 ■ 小沢氏裁判(26)手形のサインは ■ 小沢氏裁判(27) 融資の認識は ■ 小沢氏裁判(28)“私の責任” ■ 小沢氏裁判(29)何ら不正ない |