法廷で証言した目撃隊員、その隊員がいつ現場に現れたかは決定的な意味をもってくる
というのは、もし衝突発生時刻から3〜4秒ほどで現れたということになれば、目撃隊員の証言の基本的な部分の確からしさを感じる。
で、この3〜4秒はその場に居合わせた人々にとっては瞬時と映るであろう。
「いや、そうではない、
もっと経っていた。」
30秒ぐらいとかそれ以上の時間であったという記憶であれば、目撃隊員の証言そのものについて距離・時間的関係で辻褄が合わなくなり、証言の信憑性が完全に消え去る。
第2・3回公判傍聴録より引用 --> ここ
土佐署にて3名の中学生が2時間半ほど目撃調書を取られたようです。かなり疲れたことでしょう。
そのうち2名の目撃調書が警察から検察へまわされたようです。
・・・・・・供述調書の内容と生徒達の証言が一致しているかを調べなければならないが、とても重大な証言がある。
例えば目撃隊員の登場は数分後だったとか。回転灯はついてなかったとか。ぶつかってきた白バイの様子とか・・・よく覚えていないとか・・・話したくないとか・・・一人だけ白バイの動きを証言してくれました。 生徒Aの証言 最初見たときはかっこいいと思っていたんですが、あっという間に尋常ではないスピードでバスにぶつかってきたのを見ました。 何故警察や地検は 同乗していた教師達の目撃調書を取らなかったのか?
秒 | スナップショット | コメント |
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7秒 | トンネルを出るところ | |
11秒 | トンネルを抜けて、ゆるい下り坂 | |
19秒 | 衝突地点手前123mの場所に建っている目印の監視カメラの支柱が見えてきた。 その下でビデオカメラで撮影している人がいる。 |
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23秒 | ここが事後現場手前、123m地点 ここで178m前方、左にカーブしている先で事故白バイを目撃したと証言している。 ここから目撃ストーリーが始まる・・・・・ |
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25秒 | この地点がバスが道路に頭を出したときに、その左前からこの地点までの距離が78.5mだと、見分調書に記載されている地点。 そのバスの出発タイミングの時に、この地点に目撃隊員の白バイがいたことになっている。 そしてバスが道路に踏み入れ始めた。10km/時で と、同時に事故白バイも55m手前から現場に接近つつある。60km/時で |
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28秒 | この計算は --> ここ で検証している。 計算はこうなる、 10km/時の秒速は2.78m 等速運動とする。 6.5÷2.78=2.34秒 おおよそ、3秒ほどで6.5mのところまで進んだことになる 目撃隊員の目には映画のワンシーンが展開し、衝突を目撃した瞬間から目撃隊員は加速してまっしぐら、現場に向かったはずである。 となれば、この地点から3〜4秒ほど、5秒かからずに到着しないといけないことになる。 |
この辺で事故白バイとバスが衝突した 瞬間 を目撃したことになる その根拠は、バスが道路に頭を出したのが上の25秒のコマであり、そこから6.5m先の衝突地点まで動くのにおよそ3秒かかる計算になる。よって、この28秒のコマの地点で衝突の瞬間を目撃したはずである。 |
29秒 | となれば目撃した瞬間から現場までは5秒はかからず、3〜4秒で到達したはずである。 そうでないと物理的距離と目撃白バイのスピードから計算される時間との辻褄が合わなくなる。 ところが・・・(生徒の証言:数分後に白バイが現れている) だが、現実は違っていた。 実際には目撃白バイ隊員は現場を16mも通り過ぎた。白バイを停車させ、降りて、走って現場に駆け寄った。 なぜ通り過ぎて、しかも左端に停車したのか?? |
ここらあたりで追い越し車線から走行車線に変更したと証言されている。 目撃した白バイ隊員は衝突の瞬間を目撃したと証言している。 その瞬間から加速して現場に急行したはずで、その事故現場に白バイを横付けするのが自然であろう。 |
37秒 | 衝突地点より16m通過した信号機の近くの路側帯。 目撃隊員の白バイを道路に左端に停車させた最終位置 |
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42秒 | 目撃隊員が停車した位置から事故現場を見たところ |
1. なぜ16mも通り過ぎたのか?
2. なぜ事故発生から数分も経った後に赤色ライトも点けずに目撃隊員の白バイが現れたのか
現場付近の地図 (南北が逆) 縮尺は50m 高知県吾川郡春野町弘岡中987 |
この地図は検証ビデオと同じような見え方をするように南北をひっくり返してある。 地図の下から上の方へ向かって目撃白バイが進む。向かって右側にバスがでてくるレストランが見えてくる。 目撃地点1 これは目撃隊員が一番最初に事故白バイを見た場所である。178m先の事故白バイが見えたと法廷で証言している。 この証言がこのストーリーの出発点で、全ての原点になっている。 もし、これが崩れればこのストーリーはなかったことになる。 2番目の目撃地点 現場見取り図から割り出した地点 バスが道路に頭を出した地点 そのバスの左前から78.7mのこの地点に目撃白バイがいたと書かれている。 事故白バイの出発地点 この地点から衝突地点まで55m、事故白バイが時速60kmで突き進んでバスと衝突したと認定されている。 この図は土佐署作成の現場見取り図およびその数値データを使用して作成した。 |
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