トカゲの尻尾切りで逃げようとしている そもそも事務の誤りだったのか!? |
海上自衛隊 給油量誤りを隠ぺい中日新聞2007.10.22
4年前国会答弁後に把握
政府が海上自衛隊の補給艦から米補給艦への給油量を訂正した問題で、二〇〇三年五月に当時の石破茂防衛庁長官が誤った供給量を国会で答弁した後、海自が早い段階で給油量の誤りを把握しながら、同長官らに報告せず、隠ペいしていたことが分かった。防衛省首脳が明らかにした。同省は二十二日にも、当時の詳しい経緯を与野党に説明し、近く関係者を処分する方針。=関連A面
民主党など野党側は、給油量の訂正問題をイラク戦争への燃料転用疑惑に絡めて追及。給油に関する新たな事実判明を受け、自衛隊に対するシビリアンコントロール(文民統制)が十分機能していなかったとしてさらに追及する構えで、インド洋で給油活動を継続するための新テロ対策特別措置法案の審議にも影響が出る可能性がある。
当時の石破長官は〇三年五月の参院外交防衛委員会で、海自補給艦「ときわ」が同年二月、米補給艦「ペコス」を介して米空母「キティホーク」に提供した燃料を「二十万ガロン」と答弁。石破氏や当時の福田康夫官房長官は「二十万ガロンは空母の一日の消費量」などと説明していた。
しかし、市民団体が今年九月、誤りを指摘したことを受け、政府は米補船艦への給油量を八十万ガロン、米空母には六十七万五千ガロンだったと訂正。福田首相は「事務的な誤り」と釈明していた。
防衛省が当時の関係者らから聞き取り調査したところ、海自の担当者が実際に給油量の誤りに気付いたのは、〇三年の国会答弁のしばらく後で、当時の石破長官や古庄幸一海上幕僚長には報告していなかった。
石破氏は二十一日、民放テレビの報道番組で、「(誤りだと)気付いていたなら、何で(報告が)上がらなかったのかが大問題だ」と、厳しく対処する意向を示した。
「文民統制に危機感」
給油量隠ぺい野党が一斉批判
野党各党は二十一日、海上自衛隊が米艦船への給油量の誤りを把握しながら当時の防衛庁長官らに報告していなかったことについて「意図的隠ペいの疑いが濃厚だ」(志位和夫共産党委員長)などと一斉に批判し た。
民主党の山岡賢次国対委員長は同日午後、都内で記者団に「いかにお粗末な役所でもあり得ないこと。(当時の)守屋武昌防衛局長から二橋正弘宣居副長官、福田官房長官(現首相)まで(情報が)行っている可能性も極めて濃厚だ」と、隠ペいが政府ぐるみだった可能性を指摘した。 山岡氏は「シビリアンコントロール(文民統制)に大きな危機感を感じる」として、守屋民ら関係者の証人喚問を求める考えを強調した上で、新テロ対策特別措置法案審議への影響について「極めて甚大。はっきりしない限り審議はやれない」と述べた。
また、志位氏は長崎市での記者会見で「答弁直後に把握したことが事実なら許し難い」と強調。
社民党の福島瑞穂党首は「政府が現場に責任を押し付けようとしているのではないか。トカゲのしっぽ切りにはだまされない」と批判。国民新党
の亀井久興幹事長は「防衛省、自衛隊全体に何でも隠そうという体質があるなら、新テロ特措法案の議論以前の話だ」と語った。
防衛省 取り違え問題で報告書
インド洋で海上自衛隊が行っている給油活動について、野党側は活動の実態が不透明だと追及しており、防衛省は、具体的な指摘を受けた問題について内部の調査結果をまとめ、22日に各党に示しました。
この中では、4年前の2月25日にアメリカの補給艦「ペコス」に給油した量を取り違えた経緯について、まず、パソコンを使って集計表を作る際、担当者が、実際には80万ガロンだったにもかかわらず、ほかの艦船への給油量と誤って20万ガロンと入力してしまったとしています。
そして、これに基づいて当時の石川統合幕僚会議議長が5月8日の記者会見で20万ガロンと公表しましたが、その翌日の5月9日に海上幕僚監部の課長らが内部の指摘を受けて誤りに気づいたものの、みずからが燃料の担当ではないことなどを理由に情報を上層部に報告せず、訂正の措置もしなかったとしています。
こうした中、石川議長の会見に沿って政府内ではこの問題の応答要領が作られ、5月9日に福田官房長官が会見で、また、5月15日に石破防衛庁長官が国会で、誤った給油量をそのまま説明してしまったとしています。
そして、報告書では、今回の問題は文民統制にかかわるきわめて重大な問題だとして、石破防衛大臣を長とする再発防止のための委員会を発足させるとしています。さらに報告書では、補給艦「とわだ」の航海日誌の一部が文書の保存期限が過ぎていないにもかかわらず破棄されていたことについて「乗員が、艦長の許可を受けずに、それ以前の航海日誌とともに誤って裁断機にかけた」としています。
10月22日 13時28分
給油 情報を上層部に報告せず他のページへのリンク:
インド洋で海上自衛隊が行っている給油活動について、野党側は活動の実態が不透明だと追及しており、防衛省は具体的な指摘を受けた問題について内部の調査結果をまとめ、22日、自民・公明両党の国会対策委員長らに提示しました。
この中では、4年前の2月、アメリカの補給艦「ペコス」に給油した量を当初20万ガロンと取り違えて発表した経緯について、当時の石川統合幕僚会議議長がその年の5月8日の記者会見で公表し、その翌日に海上幕僚監部の課長らが内部の指摘を受けて実際には80万ガロンだったことに気づいたものの情報を上層部に報告せず、訂正の措置もしなかったとしています。
このため、この当日、福田官房長官が会見で、また、5月15日に石破防衛庁長官が国会で、誤った給油量をそのまま説明してしまったとしています。また、報告書では、今回の問題は文民統制にかかわるきわめて重大な問題だとして、石破防衛大臣を長とする再発防止のための委員会を発足させるとしています。自民・公明両党の国会対策委員長らは、この報告書を了承し、防衛省はこのあと民主党など野党側にも説明することにしています。
10月22日 12時52分