++ 『あの時、バスは止まっていた』高知・白バイ スクールバスに衝突 衝突シミュレーション・プログラムの考えかた ++


2009.11.3 2007.12.9初版

あの時、バスは止まっていた 目撃地点2でバスがどこにいたか 衝突シミュレーション・プログラムの考えかた

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お断り:
まず、最初に ■弁護側が主張する事故状況と、■警察・検察が主張する事故状況が、真っ向から食い違っている現実がある。
そして、裁判では後者の衝突ストーリーが100%採用され、前者の主張は完全に否定された。

ここでは、その後者のストーリーを検証して「本当に事故状況が再現できるのか?」を判断する。
その結果、現場に残された状況と食い違いが出てくれば「作り話である」といえるというスタンスで進めている。

その前に、整理しておかなければならないことがある。警察・検察が主張している状況のなかでも2通りの事故状況が生じる現場見取り図と目撃証言がある。
しかし、そのようなひとつの事故状況にならない矛盾があるのにかかわらず、両方ともが裁判で認定されているので混乱に拍車がかかっている。
その矛盾に気がついてないのか、はたまた無頓着になっているのかは不明だが、両方を混ぜてはひとつの事故状況にならないため、どちらからに決める必要がある。

その2つとは、■現場見取り図から読み取れる事故状況と、■目撃隊員の証言からみえる事故状況である。
このサイトでは数字がはっきり明示されている「現場見取り図」の方を警察・検察が主張する事故状況として検証している。この考え方はブログ、このサイトにかかわらず全編で一貫させている。

もう少し具体的にいうとバスの出発タイミングが明確になっているのが「現場見取り図」の方で、目撃隊員の証言はあやふやなのでそれでは事故ストーリーが確定できないからである。
ほんとうなら、裁判に臨む前に警察内部で衝突ストーリーを統一しておくべきだったが、杜撰のままで証言したので2重の意味で矛盾が露呈している。
高知白バイ事故では、弁護側の主張や証拠、証人の証言をことごく無視したために、事故現場の状況と裁判で認定されたさまざまな状況が著しく乖離してしまった。
そのあり得ない状況を解明する一つの方法として、警察・検察・裁判所が主張する状況をあえて作ってみて、その言い分どおりに各車両を走らせたらどうなるだろうか?と、いう発想で始めた。
彼らの言い分が正しければ、同じ事故状況が再現できるはずであり、忠実に当時の事故状況を記録していたらなんの問題もなく再現されなければおかしいということになる。
もし、そのようなおかしな状況がでてきたとすると、それは故意か過失か、はたまた何らかの操作が行われたと考えざるを得ない。
と、このような考え方をベースにシミュレーションの作業を始めた。

ご注意:警察の中でも矛盾がでており、A隊員の証言と現場見取り図とで決定的な齟齬がある。それでも数字としてはっきり出ているほうの現場見取り図が正しいとしてシミュレーションを組んでいる。
A隊員の証言の方は現場見取り図の数値の意味が理解されないまま証言したものと推定している。
そもそもどちらもが作り話の上でのことであり、事故の実態からは両方ともが矛盾しているが、あえてどれかに基づかないとこのページが目的としている検証が先にすすまないので、そのようにシミュレーションをしていることを予めご承知おきくだされ。

   ※※ちなみに「現場見取り図と証言とかが噛み合っていない」、矛盾している指摘は --> ここ です。

すでにプログラムは作ってあるが、その作成途中を開示しながら若干の説明を加えて解説を試みる。
なにぶんにも脳味噌の中でイメージしないと理解できない部分があり、そこが難所になるかもしれない。というのは現実の、物理法則がキチッと当てはまるこの地救上の上ではじぇったいに起き得ない物理現象なのに、それが衝突ストーリーとして裁判で認定されてしまったため、それを覆すにはその作り話をもとにプログラムを作らざるを得ず、そのために考えなくもいいことまでをも閲覧者に要求することになり、誠に心外に思う。
が、そうまでしてやらないと、警察・検察・裁判所が作った話をひっくり返すことができないことを、ご理解しただけたら望外の喜びである。

このシミュレーションは現時点で明らかになっている情報などをもとに組み立てられている。もし未知の情報や状況が明らかになればそれを取り込んで組み立て直すこともありうる。
わかっている範囲でトライしているので、これが100%完璧なものだとは思っていない。今後、さらに新たな情報などがでてきてより精緻になるならそんな嬉しいことはない。
注意をもって再確認をしているが、錯誤やミスなどあるかもしれない。賢明な諸氏のご指摘、批判を賜りたいと願っている。

はじめに
まず現地の地図、各車両の位置、走行スピードの数字については頭に入れて、いちいち地図などを見返さなくとも目をつぶって各車両がいまどこを、何キロで走っているはずだと、各車両の状況をイメージできるようになっているとスムースに理解が進む。地図は --> ここ
用語の設定:
頻繁に同じ意味で使う言葉があり、いちいち説明を繰り返すと文脈がボケてしまうので極力短い言葉に省略したく、ここであらかじめその凡例をあげておく

物理的な位置 説明 数値 スピード
地点1 事故を目撃したとされる目撃白バイ隊員が一番最初に事故白バイを発見したとされる地点。目撃地点1
その位置から事故にあった白バイを発見した瞬間の距離が178m。
178m 目撃白バイの速度55〜50km/時
地点2 目撃隊員が事故現場に向かう途中で衝突の瞬間を目撃したとされているその地点。目撃地点2。
事故現場でバスが道路に出だす地点におけるバスの前部左角からその地点までの距離が78.7m
78.7m  
B地点 バスが道路に出だす地点   バスの速度5〜10km/時
衝突地点 道路の端から6.5m、目撃隊員によって最初に発見された事故白バイの位置からその位置までの距離が55m。
減速、加速などの情報はなく等速走行60km/時とみなしている。
55m 事故白バイの速度60km/時
C地点 事故白バイがバスに衝突した時点のバスの位置。衝突したとされる位置は道路の端から6.5m。 6.5m  


【 ポイント 】
やはりもっとも重要な概念はバスがいつ発進するかである。
すでにこれがイメージできている人は以下を読む必要はない。いきなりシミュレーションプログラムを試してなんら問題はない。

頭の中で各車両が動いている様子をイメージするのがいい
いきなり抽象的なことから始まったが、順番にイメージしていこう。
事故白バイの方は地点1で目撃者が見つけた瞬間には55m先の衝突地点に向けてまっしぐらである。もうだれにも止めれない。
60kmでまっすぐ進むだけで、あとは衝突するか、バスがC地点まで到達してなかったら、バスの前方を素通りするだけになる。

一方、バスの方は運転手がハンドルを握り、道路の状況を判断して道路上に進行する。近寄ってくる白バイとはなんの関係もなく出発することになる。通常の場合はこうなる。

ところが今回の事故の場合、目撃隊員の証言と見分調書の二つが事故状況の全てを決定している。バスの運転手の主張もバスの乗客やそのほかの第三者の証言はすべて無視された。

ここからがわかりにくいかもしれない。
確かに運転席に座っていたのは運転手だった。ハンドルも握っていたし、アクセルもふんでいた。
しかし、バスを出発させたのは事実上、目撃隊員だった。
というのは運転手側の主張、証人の目撃証言はすべて無視された結果、運転席に運転手は座っていたが、バスは勝手に進んでいったことになる。5〜10km/時と決め付けられ、出発はおろか勝手に急ブレーキまで掛けられた。挙句の果てが1m以上のブレーキ痕まで付けられた。
バスの運転手の意思は実況見分の調書が作成された時点で消滅させられていた。
もちろん事故直前、直後までは確実に存在していた。

しかし、その後、「目撃隊員の証言と現場見取り図」の作成が完了した時点で、バスの運転手の意思は抹消され、存在しなくなった。
もちろん現実になくなっているということではなく、「目撃隊員の証言と現場見取り図」の前においては、とか「裁判」の前では、の限定がつくことはいうまでもない。

確かに運転手がハンドル握って、運転していたが・・・
見分調書が作成された後では、運転手の意思は消された。その代わり「目撃隊員の証言と現場見取り図」が意思を持ち始めた。 図面そのものが意思を持ち始めた。
このカラクリは目撃隊員の証言だけを聞いていてもわからなかったし、現場見取り図だけをみていてもなにもわからなかった。
その両方の辻褄をあわせていく過程で、実はバスの出発のタイミングを事実上決めてしまったのは「目撃隊員の証言から作った現場見取り図」だったと気づいた。
  ※※ちなみに「現場見取り図と証言とかが噛み合っていない」、矛盾している指摘は --> ここ (サーバー故障中)

ここが最大の難所だと思う。
なにがいいたいかというと、目撃隊員の白バイが地点2に到達すると自動的にバスが発進する仕組みが現場見取り図の中に作られたということである。
もちろん警察がこれを意識して作成したのではないことは間違いないだろう。まさかそんな風に解釈されるとは思ってもみなかったに違いない。
だが、私が現地で検証実験を指揮する場面をイメージしてみると、この現場見取り図をそのように読まないことには「実験を進められない」と結論に至ったからである。

その図面にはバスの運転手の意思はおろか、目撃隊員の意思も一切はいっていない。時刻の概念も入っていない。
図面から読み取れるものは、単に目撃白バイが地点2に到達すること、それしかない。
白バイがそこに到達すればバスが自動的に道路に侵入しだす。図面の地点2と78.7mの数値の裏には「タイミングという時刻」も一緒についていた。
見えないだけのタイミングが・・・・。

この見えないものをどう説明したらいいか実は悩んだ。うまく説明できるページができず、プログラムよりだいぶ遅れてしまった。
読者からよくわからないという指摘があり、不十分ながらも叩き台としてここに出したみた。
なにがどのようにわからないかの反応がある対面で説明を行うのとは違い、一方通行なので障害が多い。
それを承知でこのページを作ってみた。

私の力不足と説明ベタのため、ここまで来てもまだモヤモヤしている人も多いと思うが、その人たちにはこの現場見取り図を片手に、現地で再現実験をする総監督になって各車両を配置して号令を出して実験をする場面をイメージしてもらうアドバイスをしたい。
いつバスを発進させたらいいか悩むことになると思うが、とにかくバスを発進させないことには実験が進まないからあれこれ目撃者の動き、近寄ってくる白バイの動きをイメージしているうちに「パッ」とつながる瞬間がやってくると思う。

残念ながらここまでのことがイメージできないと以下に掲げる計算式の意味がおそらく理解できないと思うので、あらかじめお断りしておく。

現場見取り図になんて書いてあるか --> ここ
目撃白バイが地点2に到達したときにバスが自動的に侵入を始めるとは書いてない。

  A〜B左前 約78.7m
  とあるだけである。

そこには書かれていない意味(警察が込めたかった意図)があるはずだが、単に地点2とバス左前の距離と、位置関係を示しているだけである。
そもそもバスの位置関係を示すだけなら、信号機のポールから何メートルでもいいはずである。
でも警察はそうしなかった。
目撃白バイの位置から何メートルとある。
それは目撃隊員がバスの動きを承知していることを数字で表わしたかったことに違いない。
「目撃者がどこにいてバスを見たよ」ということをはっきりさせたかったに違いない。

そのために数字を持ち出してきた。
その数字が78.7mだった。もうひつの意味もあると考えているが、それをここで取り上げるとしっちゃかめっちゃかになるので控える。
ブレーキ痕との整合性は --> ここ(サーバー故障中)

目撃白バイとの距離が78.7m、言い換えるとB地点においてバスの左前から78.7m先に目撃白バイがいたということになる。

白バイの方は、目撃隊員が乗っていてその地点に到達したときにバスが侵入始めたと見分の担当官にゆったのだろう。
そして見分調書にA〜B左前約78.7mと記入された。

バスの出発タイミング、時刻 ・・・・ここが肝
その調書には何時何分に目撃隊員が地点2に到達したとは書いてない。時刻が不明である。

なんで時刻かというと、バスがいつ発進するのかの重要な情報であるからである。実はその時刻、すなわちタイミングは地点2と78.7mを媒体にしてバスに伝える仕掛けになっていた。
簡単にゆってしまえば、バスが出発したいときに白バイが地点2にいてくれたらいいということになる。

そのタイミングは目撃隊員の走りっぷりによって生まれ、地点2に到達する時刻と同一であり、また同じでなければ図面に反することになると現場図面からわかった。
だからいつバスが発進したかの時刻を書く必要がないことになる。
このタイミングの意味がわかったお方は8割がた終わったようなものである。以下の計算は造作もないことと思われる。

計算を始めてみる
すでに事故白バイはスタートを切っている。
そして衝突地点まで到達したとき、そのタイミングにそこにバスがいれば衝突である。
バスは9mのロングボディなので道路の端から6.5mの地点にバスのフロントが来ていれば100%衝突する。
しかし、もしそのときバスが6.5mまで進んでいなかったら当たり前だが白バイはバスの前方をすり抜けていくことになる。

バスは10km/時と仮定して計算を進めるが、いつ出発するかで衝突する、しないかの現象が現れる。
速度は10kmと決めたので、あとはいつ出発するかだけの問題になる。
そのタイミングを決定するのが、いつ目撃隊員が地点2に到達するかの問題にすりかわる。

そして目撃隊員がいつ地点2に到達するかは出発した地点1からどのくらいのスピードで地点2を駆け抜けるかで違ってくることになる。
猛スピードで駆け抜ければ、バスは前倒しで出発することになり、道路の片側の半分くらいまですすむかもしれない。
しかし、逆にトロトロとゆっくりと進めば、バスの出発はずっと遅れることになり、たぶん、バスが進み始めたころには白バイは55mの地点まできていて悠々とバスの前を通りすぎてゆくということになる。
奇妙奇天烈な珍現象だが、そうなる。

ちなみに目撃隊員が地点1を出発した時刻と事故白バイが出発した時刻は いっしょである。
なぜなら目撃隊員は走行しながら事故白バイがこちらに向かって60kmで走ってくるのを178m先で見ているから。
だから双方はそれぞれの地点を同時に出発したことになる。

シミュレーションプログラムの元になっている計算式・・・以下の式をそのまま仕込んだだけ

■ まず地点1と地点2の距離を求める。
178−55−78.7=44.3m
めんどいので道路は直線と仮定している。
■ 目撃者の秒速は55km/時として(法廷で55〜50kmと証言)
55X1000÷60÷60=15.3m/s
その速度で44.3mを駆け抜ける時間は
44.3÷15.3=2.9秒

■ 他方、事故白バイの秒速は60km/時・・・16.7m/s
で、目撃者とおなじ時間でどこまで進むかをみると
16.7x2.9=48.4m

よって事故白バイは、目撃者が地点2に到達したときにはすでに 48.4m 先まで進んでいることになる。
あとの残りは
55−48.4=6.6m

■ この残りを事故白バイは何秒で進むかは
6.6÷16.7≒0.4秒
たった0.4秒、目と鼻の先まで来ている。
道路の端から6.5mの地点だが・・・

■ やっと、このタイミングで初めてバスが道路に侵入することになる。
時速10kmで・・・

それを秒速に直すと
10X1000÷60÷60=2.78m/s

■ すでに白バイは55メートルラインの手前6.6m(時間にして0.4秒)まできていて、
その0.4秒の間でバスが何メートル進めるかを計算すると、バスの最終地点がわかる。
2.78X0.4=1.11m
バスはたった1.11mしか進めない。

ということは白バイとの距離は
6.5−1.11=5.39m 
・・・これはバスの前部と白バイとの距離でもあり、衝突から逃れられる余裕度ともいえる。

※※ 注意:(バスの車幅、白バイの大きさを計算式の中で加味されてないのでこの数値が1m以下のように小さいときは衝突する場合もあり、別途再計算しなければならない。
この事故の場合、十分に大きな数字になり、なんら問題ないので考慮はしなかった。)

即ちバスの前方 5.39m を白バイが余裕ですり抜けていくことになる。
白バイは衝突しないという結論になる。

この部分はまだ手付かずになっている 78.7m:虚構の第2目撃地点 マスコミは切り込んでほしい

実際には悲惨な事故が起きているので、見分調書に基づいた警察・検察・地裁・高裁の主張は間違っていることになる。
少なくとも見分調書に基づいたこのシミュレーションではそういう結論になる。
見分調書の矛盾点などを検証するために、実際に現地でマスコミ立会いの下、警察が作成した見分調書で警察・検察・裁判所が主張する結果に本当になるのか、再現実験が実施されることを切に希望する。

現場付近

現場見取り図

もくじへ戻る  シミュレーション・プログラムを作った--> ここ


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バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
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男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。
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