++ 太陽活動停滞で0.7度寒く 13年以降にミニ氷河期? ++

2012.4.23 2010.11.9初版

太陽活動停滞で0.7度寒く 13年以降にミニ氷河期?

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 ■ 特集 太陽活動の謎と発見 太陽活動と宇宙線,そして気候変動
 
■ 太陽、まもなく「冬眠」 <朝日新聞>追記記事

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asahi.com2010年11月9日5時1分
2010年11月9日5時1分
写真:宇宙線の解析に使われた奈良県の室生寺の杉。樹齢392年だったが、1998年の台風で倒れた=東京大宇宙線研究所提供
宇宙線の解析に使われた奈良県の室生寺の杉。樹齢392年だったが、1998年の台風で倒れた=東京大宇宙線研究所提供

 太陽活動が停滞すると、北半球の平均気温が0.7度ほど下がることが東京大などの研究からわかった。地球に降り注ぐ宇宙線を遮る太陽の磁場活動が弱まる ためだという。日本では梅雨の湿度が1〜2割高まり、降水量が増えることもわかった。宇宙線の変化による地球の気候への影響が初めて確かめられた。今週の 米科学アカデミー紀要電子版に掲載される。
 太陽活動は2013年をピークに数十年の停滞期を迎えることが予想されており、地球がミニ氷河期に入る可能性もあるという。
 東京大大気海洋研究所と同大宇宙線研究所などが、奈良県の室生寺にあり、台風で倒れた樹齢392年の杉の年輪を解析。17〜18世紀に太陽の活動が極めて弱まった時期の炭素の量などから、当時の宇宙線の量を調べた。
 この時期は平均して宇宙線の量が1〜2割増え、北半球の気温は0.5度下がっていた。太陽活動が特に弱かった年は宇宙線が3〜5割増え気温は0.7度下がっていた。
 宇宙線が地球の大気と反応して雲が生じやすくなったり、窒素酸化物ができたりするためと考えられるという。東大宇宙線研の宮原ひろ子特任助教は「解析を進め、気候予測に役立てたい」と語った。(東山正宜)


『科学』(岩波書店) 2009/11/25(12月号)
特集 太陽活動の謎と発見

 太陽活動と宇宙線,そして気候変動

Dec. 2009 科学 1380

宮原ひろ子  みやはら ひろこ
  (東京大学宇宙線研究所)

400 年前にガリレオが太陽の黒点を観測しはじめてからほどなくして,現在でも太陽物理学における最大の難問の1つとされる出来事が起きた. 西暦1645年から実に70年間にわたって,黒点がぱったりと姿を消してしまったのである.当時は,まだ黒点の11年周期も発見されておらず,科学者のあいだでもそれが特に異常な事態であるというような認識はなかったようだが,時おり“珍しく”姿をあらわす太陽黒点に科学雑誌がにぎわうほどであった (1) .
この70 年にわたる黒点の消失はマウンダー極小期と呼ばれている.もし黒点の観測の開始がもう少し遅れていて,マウンダー極小期という観測事実がなかったなら,太陽活動の長期変動に関するわれわれの認識はもう少し違ったものになっていたかもしれない.当時の太陽に何が起こっていたのか,なぜそのような出来事が起こったのか,また地球に何らかの影響があったのか,消えた黒点の謎を明らかにするため太陽活動を反映する代替指標をもちいた研究が進められている.
木々の年輪の中に残された太陽の歴史黒点にかわる太陽活動の代替指標として広く用いられているのが,樹木年輪に含まれる炭素の同位体・炭素14である.炭素14は,宇宙線(宇宙を飛び交う高エネルギーの放射線)と地球大気との相互作用によって作られる放射性の同位体である.太陽の磁場は,太陽と地球の距離のおよそ100倍の遠方まで広がっており,宇宙線から地球を守る役割を果たしている.ところが,太陽活動が弱くなるとそのバリア機能は低下し,地球に飛来する宇宙線が増える.すると,大気中でたくさんの炭素14が作られ,その結果,光合成によって樹木が年輪に取り込む炭素14 の量も増加する.
逆に,太陽活動が活発になると年輪に取り込まれる炭素14の量は減少する.したがって,屋久杉などの樹齢の長い木や,地中に埋もれた大昔の木の年輪に含まれる炭素14 の量を測定してその増減を調べると,過去の太陽活動の推移を知ることができる.
アメリカのスタイバー博士のグループが,世界で最も長生きするといわれるブリッスルコーンパインの年輪を10枚ごとに剥がし,炭素14の量を測定して過去1万年間の太陽活動の変動を調べたところ,マウンダー極小期と同じように炭素14が増加していた時期,つまり太陽活動が低下し黒点が消えていた時代が過去に何度もあったことがわかった (2) .
また,そういった黒点の消失がおおよそ100〜300年に一度発生していることも明らかになった.つまり,“異常”のように見えた黒点の消失も,それ自体,太陽のもつ長いリズムの1つであるということを意味している.それは同時に,今後もそのような長期にわたる黒点の消失が発生する可能性があるということを意味している.
数十年にわたって黒点が消えている間,太陽には何が起こっているのだろうか.屋久杉を用いた研究によってその手がかりが得られつつある.

マウンダー極小期の70 年間に形成された年輪を1枚ごとに丁寧に剥がして太陽活動の変動をたどってみると,黒点が消え11年周期が失われたかのように見えるマウンダー極小期においても太陽活動の周期的な変動が続いていたことを示す結果が得られた.
しかも興味深いことに,通常は約11年の周期で増減する太陽活動が,11年よりも少し長い約14年の周期で増減していたことがわかってきた.つまり,黒点が消えたマウンダー極小期では,太陽の基本周期ともいえる11年周期のリズムが崩れていたことになる.このリズムの遅れが,物理的に何を意味しているのかはまだよくわかっていない.現在,観測と理論の両面から研究が続けられている.
太陽活動,宇宙線,気候変動はつながるかマウンダー極小期は地球の気候に何らかの影響を与えたのだろうか.過去の太陽活動と気候の関係性を調べていくと,いくつかの共通性があることに気づく.たとえば,10〜12世紀頃は太陽活動が非常に活発であった時期として知られているが,その頃は「中世の温暖期」と呼ばれるように気候が比較的温暖であったことが知られている.
また,13 世紀以降,太陽はマウンダー極小期に代表される3つの大きな極小期を経験しているが,その頃は小氷期と呼ばれる寒冷な時期に対応している.そのほかにも,太陽活動と気候の一致は,十年から数千年の幅広い時間スケールにおいて報告されている (3) .
しかし,太陽活動と気候の変動に見られる共通性が偶然によるものなのか必然なのかはよくわかっていない.というのも,太陽活動の変化にともなう日射量の増減は0.1%程 度と非常にわずかで,地球の温暖化や寒冷化を説明できるほどの変化ではない.

そこで,太陽に関連する他の因子が気候に与える影響に注目が集まっている.その1つが宇宙線である.地球に飛んでくる宇宙線の量は,前述のように,太陽活動が活発になれば減少し,静穏になれば増加する.この太陽活動に応じて増減する宇宙線が,大気の電離度を変化させ雲の量を増減させているという説がデンマークのスベンスマルク博士らのグループによって提唱された (4) .
雲の量と温暖化・寒冷化との関係は未解明の問題であるが,衛星観測によって調べられている全球の雲の面積と,地上の中性子モニターによって常時観測されている宇宙線量の変動には,確かによい相関がある(図1).

図1 衛星観測による低層雲の変動と,中性子モニターによる宇宙線量の変動

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Vol. 79 No. 12 太陽活動と宇宙線,そして気候変動 1381 特 集 太 陽 活 動 の 謎 と 発 見
図1 ――衛星観測による低層雲の変動と,中性子モニターによる宇宙線量の変動.文献(4)より.

宇宙線の変動パターンは,日射量とは少しだけ異なる.それは,変動に22年周期の成分があるという点である.太陽活動は,通常11年の周期で増減する.この影響は,日射量,紫外線など太陽に関連するあらゆる因子に見られる.一方,11年ごとに太陽の活動が最大に達すると,太陽の双極子磁場の向きが反転することが知られている.
太陽の北側がN極,南側がS極という状態が11年間続き,再び太陽の活動が最大に達すると,こんどは北側がS極,南側がN極という状態が11年間続く.この磁場の極性の反転がもつ22 年周期は,日射量のような太陽の放射には影響しないが,宇宙線だけが顕著にその影響を受ける.宇宙線のほとんどは,陽子つまり正に帯電した粒子である.そのため,太陽の磁場の向きが反転すると,陽子に対する太陽圏のバリア効果がわずかに変化するのだ.その結果,図2に示すように,地球に到来する宇宙線の量の変動パターンは太陽の磁場の向きによってわずかに変わる.

図2 ――黒点数(黒)および宇宙線量(灰)の変動

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図2 ――黒点数(黒)および宇宙線量(灰)の変動.影をつけた時期は太陽磁場の極性が負の時期に対応する.宇宙線量は,極性が負のときは鋭いピークをもつが,極性が正のときは,比較的なだらかなピークを示す.

年輪の成長率の増減などを指標として復元された気温のデータから,マウンダー極小期や中世の活発期における太陽と気候の関係性を見てみると,宇宙線がもつ22年周期の変動成分,さらには伸び縮みする太陽周期が,気候変動の複雑なパターンを生み出している可能性があることがわかってくる.マウンダー極小期で太陽の11 年周期が14年周期に伸びていたのは前述のとおりだが,炭素14 の分析によると中世の活発期では9 年という短い周期に変化していた.この太陽活動の周期の伸縮にともなって,気候変動の周期性も〜14 年や〜9 年に伸び縮みしている.
気候変動にはもともと10 年程度の周期性があるとされてきたが,そのリズムはやはり太陽活動の影響を受けているようだ.興味深いのは,宇宙線がもつ“22 年”周期のシグナルが,11 年周期の伸び縮みにともなって伸縮し,マウンダー極小期では,28 年周期として,中世の活発期では18 年周期として気温の変動にあらわれている点である (5) .
数十年スケールの気候変動の起源はいまだ理解されていないが,太陽磁場の変動を理解することが解明への鍵になりそうだ.

文献
(1) J. A. Eddy: Science, 192, 1189(1976)
(2) M. Stuiver & T. F. Braziunas: Nature, 338, 405(1989)
(3) D. V. Hoyt & K. H. Schatten: The Role of the Sun in Climate Change, Oxford University Press(1997)
(4) H. Svensmark: Astron. Geophys., 48, 118(2007)
(5) H. Miyahara et al.: Earth and Planetary Science Let-ters, 272, 290(2008)


太陽、まもなく「冬眠」  <朝日新聞>

aサロン 科学面にようこそ
https://aspara.asahi.com/blog/science/entry/S74pFzYAGC
[10/03/19]
東京科学グループ・東山正宜

太 陽が「冬眠」準備に入ったらしい。国立天文台などの観測から、約11年で繰り返してきた太陽活動の周期が2割ほど長くなり、表面の磁場も観測史上最低レベ ルを記録したことがわかった。こうした現象は活動が弱まる直前の特徴として知られる。実際、太陽はこの数世紀、11年周期以外に、ほぼ100年ごとに活動 の増減を繰り返している。ただ、そのしくみや、地球の気候への影響などはよくわかっていない。
昨年末から今年にかけて、太陽に久しぶりに現れた黒点に研究者らの話題は持ちきりになった。表面の爆発現象「フレア」も観測され始めた。この数年、100〜200年ぶりの弱さを記録した太陽活動は、ひとまず回復の兆しを見せている。
この活動再開によって、直近の太陽の活動周期が確定した。ベルギーの太陽黒点数データセンターのまとめでは、約12年7カ月。普段より1年半長い。周期が延びるのは、太陽が冬眠の時期に入る前の特徴とされる。
太陽活動はおよそ11年ごとの周期に加え、ほぼ100年ごとに活動が弱まる大きな波がある。特に1700年前後の冬眠はマウンダー極小期と呼ばれ、ほぼ70年間にわたってほとんど黒点が現れなかった。
11年周期は太陽のN極とS極が周期的に逆転するために起きる現象と解釈されているが、100年の大きな波が起きるしくみは分かっていない。ただ、近年、宇宙航空研究開発機構の人工衛星「ひので」のように高い解像度での観察が可能になり、解明が期待されている。
国立天文台の常田佐久教授は「次の周期の活動は、極めて弱いものになるのではないか。衛星で太陽を観測できるようになって初めて起きる極小期だけに、どんな現象が見えるか楽しみだ」と話す。
地 球の気候へはどのように影響するか。過去には、マウンダー極小期に英国のテムズ川が凍るなど寒冷化の現象が起きた。過去1千年に起きた主な太陽活動の極小 期でもおおむね、地球は寒冷化したとされている。ただ、その相関がどのようなしくみで起きたかはよくわかっていない。次に予想される極小期がどの程度の規 模か、再びミニ氷河期が来るかどうかは、はっきりしないという。
地球の気候への影響で考えられる要因に日射量がある。だが、太陽活動が弱まっても日射量は0・1%ほどしか変化せず、影響は小さいと見られている。
放射線(宇宙線)量の変化もある。太陽の磁場は、太陽系外から降り注ぐ宇宙線から地球を守っている。活動低下に伴って太陽の磁場が弱まると、宇宙線量は15%ほど増えるらしい。
宇宙線には雲をつくる効果があり、宇宙線が増えると太陽光が反射されて地球が冷えるとする研究がある一方、雲をつくる効果はわずかだとの主張や、雲ができると逆に地球の熱が逃げにくくなって温暖化する説もあり、専門家の間でも意見は分かれている。
米国では今冬、東海岸のワシントンが100年ぶりの大雪に見舞われた。東京大宇宙線研究所の宮原ひろ子特任助教によると、太陽活動の弱さや宇宙線の多さも100年ぶりのレベルだった。宮原さんは「太陽活動と気候変動のつながりをさらに詳しく調べたい」と話す。

◇木の年輪に太陽活動の痕跡
太陽活動の指標となる黒点を初めて観測したのは400年前、望遠鏡を初めて宇宙に向けたガリレオとされる。だが、それ以前の太陽活動はどうやって調べられるのか。答えは木の年輪にある。
太陽活動が低下して磁場が弱まると、太陽系外から降り注ぐ宇宙線の量が増える。放射線は、窒素にぶつかって同位体の炭素14を生む。だから、木の年輪に含まれる炭素14の量を調べれば、原理的にはその年の太陽活動の強弱が分かる。
米国の科学者が樹齢8千年の松や、化石の年輪を10年ごとに調べ、1万2千年前までさかのぼった結果、11年の短い周期以外に、90〜100年の長い波が見つかった。ほかに、さらに長い200〜300年の波や、2400年くらいの大きな波も認められたという。
宮 原さんは、最近1千年の間に5回あった太陽活動の低下に注目し、屋久杉の年輪を1年単位で調べた。すると、活動が低下した時期には11年のはずの短い周期 が最大13〜14年まで延び、逆に活発な時期は9〜10年だった。周期が延びると太陽が冬眠へ向かう傾向が確認できたという。
◇        ◇
《筆者の東山から》
太陽活動が活発だと、地球も温暖化する。木の年輪やグリーンランドの氷河の分析から、地球の気候は太陽活動と関係がありそうだということが分かってきました。20世紀の太陽活動は、ここ数千年の中でも最高レベルにあったようです。
ところが、ここ50年ほどの地球の暖まり方は、これまでの傾向よりさらに加速していました。その原因が人間の産業活動であることは明らかです。
今 後数十年間、太陽活動は弱まるでしょう。気温も下がるかも知れません。それでも、太陽活動はいずれ復活します。温室効果ガスの削減はやはり必須なのです。 ある研究者は「仮に気温が下がったとしても、それは省エネ技術が未熟な人類に神様が与えてくれた猶予期間、ととらえるべきだ」と語りました。

研究紹介

宇宙線が気候変動に与える影響を探る

宮 原 ひろ子
【宇宙線研究所】

1.はじめに 地球温暖化問題を受け、100年後の気候の予測を見据えた気候モデルの構築が現在盛んに進められている。人間活動が100年後の気候をどのように変えるのか、それを正確に見積もるには、気候システムの内的な気候駆動要因と、太陽活動や宇宙線変動などの外的要因を正確に理解し、気候モデルに余すところなく組み込むことが必要不可欠である。
しかしながら、駆動の素過程が明らかでない、あるいはフォーシングに対する何らかの応答が少なくとも定量的な数値として見積もられていないパラメータについては、モデルに組み込むことができない。外的要因の主要素である日射、太陽紫外線、宇宙線(図1参照)の中でも、宇宙線が果たす役割については特に理解が遅れており、未だ気候モデルには一切組み入れられていない。しかし、気候モデルに一般的に組み込まれるようになってきた日射量の変動だけでは過去の太陽活動と気候変動の関係性を充分に説 明することができないため、その溝を埋める1つの可能性として宇宙線に多大な注目が集まっている。
宇宙線が気候に影響している可能性については、



■ In the Little Ice Age ミニ氷河期 もくじ --> こちら

※ これはウソがすでに見破られ参考にすらならないですが、こういうこともあったという記録ということです。
■ 地球温暖化 のウソ --> こちら

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