○五十嵐委員 それは多少の効果があるということは私も認めていますよ。だけれども、これだけの財政状況になってくると非ケインズ効果も生まれるのではないかということも申し上げたわけであります。
それから、苦言を一つ呈しておきますが、先日の予算委員会で、竹中大臣は、需要と供給の関係で、最終的には需要と供給は一致するんだというようなことを おっしゃったですね。これは、あなたが売った値段と私が買った値段は同じですよと言っているにすぎないのであって、国会をばかにしているような発言だと私 は思いますので、ぜひそういうようなくだらない、くだらないといいますか明々白々の話をここでして何になるんだという話ですから、それは御注意を申し上げ ておきます。
それから、赤字財政の改善が中長期的な経済成長率の上昇に寄与するという諸先進国の常識を今お認めになったわけですけれども、よその国ではこういうことをやっていないということをはっきり認識しているというお話でいいわけですね。今お認めになったのでいいと思いますが。
私のところに一つレポートがございます。ネバダ・レポートというものです。これは、アメリカのIMFに近い筋の専門家がまとめているものなんですけれども、この中にどういうことが書いてあるか。
ネバダ・レポートの中でも、昨年の九月七日に配信されたものなんですけれども、IMF審査の受け入れの前に、小泉総理の、日本の税収は五十兆円ほどしかない、今の八十五兆円を超える予算は異常なんですという発言があります。これを大変重視して、当然だと言っているんです。
同時に、九月上旬、ワシントンで、私、柳澤大臣と行き会いましたけれども、そのときに、柳澤大臣が記者会見をワシントンでされていまして、IMFプログラムを受け入れるという発言をされていますね。これは御確認をさせていただきたいんですが、そのとおりですか。
○柳澤国務大臣 IMFのFSAP、これは受け入れます。これはもともとがG7の国で発案をしたものでして、それをいつやるかということを我々も考えておりましたが、我々の方はペイオフという大事業があるので、生まれたばかりの役所でマンパワーがとかく不足であるというようなこともありまして、少しそのタイミングを見計 らったということが背景で、今回、そういうことを正式に表明したということでございます。
○五十嵐委員 極めて狭い意味、いわゆる金融のIMFによる検査という意味で柳澤大臣は使われているんですが、IMFの方では、金融面のプログラム、それは検査だけではないと思いますが、いわゆるIMFのプログラムの中には、金融面とそうでない部分があるんですね。主に我々も金融面をとらえているし、その検査も含めて、 柳澤大臣も金融面のことを頭に置かれているというふうに思うんですが、このネバダ・レポートの中ではこの二つの発言を評価しておりまして、これが当たり前なんだということを言っております。つまり、バランスバジェット、収支均衡というのが極めてIMFでは重視されるんだということを言っておりまして、もし IMF管理下に日本が入ったとすれば、八項目のプログラムが実行されるだろうということを述べているのであります。
手元にありますが、その八項目というのは大変ショッキングであります。
公務員の総数、給料は三〇%以上カット、及びボーナスは例外なくすべてカット。
二、公務員の退職金は一切認めない、一〇〇%カット。
年金は一律三〇%カット。
国債の利払いは五年から十年間停止。
消費税を二〇%に引き上げる。
課税最低限を引き下げ、年収百万円以上から徴税を行う。
資産税を導入し、不動産に対しては公示価格の五%を課税。
債券、社債については五から一五%の課税。
それか ら、預金については一律ペイオフを実施し、
第二段階として、預金を三〇%から四〇%カットする。
大変厳しい見方がなされている。
これはどういうことか。そのぐらい収支均衡というのは大事なんだ、経済を立て直すためには極めて大事なんだということを、世界の常識となっているということを示しているわけであります。
こういう認識をお持ちになっているかどうか、財務大臣、竹中大臣、伺いたいと思います。
○塩川国務大臣 数字の面でいろいろ議論ございますけれども、私は、今おっしゃったような厳しい認識は持っております。
○竹中国務大臣 短期的に常に均衡させることが重要かどうかということについては、当然のことながら議論が御承知のとおりありますけれども、長期的にやはり持続可能であるためには、それはまさにプライマリーバランスを均衡させなければいけないと強く思っております。
○五十嵐委員 その厳しさが違うということを私は申し上げたい。ここまでしなきゃいけないんだというほど世界の常識はこの面に厳しいということであります。
・・・・・・・・・
リンク先 ↓ 著者:山下洋平氏 単行本: 256ページ 出版社: ソフトバンククリエイティブ (2009/11/16) ISBN-10: 4797353899 ISBN-13: 978-4797353891 発売日: 2009/11/16 |
内容紹介 ◎ジャーナリスト 大谷昭宏氏推薦 白バイは“黒バイ”か 地方局記者が執念で迫る 「これです」 被告の支援者が数枚の写真を取り出した。 路面には黒々とした二本の筋。 裁判で有罪の決め手となった、スクールバスの「ブレーキ痕」だ。 「このブレーキ痕は、警察が捏造した疑いがあります。これは冤罪ではありません。警察組織の犯罪です」 ――二〇〇六年三月三日午後二時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道五六号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(二十六)が死亡。 バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。 同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。 その後、高松高裁、最高裁と判決は覆らず、二〇〇八年十月、片岡さんは獄中の人となった。 香川県と岡山県を放送エリアとする地方テレビ局「KSB瀬戸内海放送」。 同局の報道記者である著者のもとに突然、見知らぬ男性から電話が掛かってきた。 男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。 事件が発生した高知県のマスコミは、どこも耳を貸してくれない。 藁をもすがる思いで、かすかなつてを頼って県外の地方局の記者に連絡してきたのだ。 この一本の電話をきっかけに片道三時間半、著者の高知通いの日々が始まった。 法廷の場で結審されたとはいえ、不可解な点が多々ある高知「白バイ衝突死」事故。 本事件の闇を徹底的に追った渾身のルポルタージュ! ◎テレビ朝日『報道発 ドキュメンタリ宣言』の放送で大反響! |