++ 『あの時、バスは止まっていた』警察の衝突地点を検証 目撃座席から白バイが見えたか ++


2009.11.3 2008.7.12 2008.7.8初版

あの時、バスは止まっていた 警察の衝突地点を検証 目撃座席から白バイが見えたか

わずか1秒ほどしかない
  その短い時間の中で、向って来る白バイを発見し、かつ、
   そのまま眼を離さず追い続け、そしてバスに衝突する瞬間まで目撃していたことになる
      そうだとすると、白バイが突然眼に飛び込んできた、となるのだが・・

         その離れ業をたった1秒でやってのけたことになる
     ・・・これが警察の主張をベースに、その上に目撃証言を重ね合わせると出来上がるストーリーである。
      本当にそうだったのか、このストーリーに無理がないか、再検討してみる。

貴重な映像を映し出しているビデオが新たにアップされた

目撃者の視点から現場を映し出しているビデオである。まさに待ち望んでいたものである。
警察の主張(衝突地点)をベースに、そして衝突の瞬間までずっと白バイを追っていた目撃者たちの証言が、無理なく適合できるかどうかビデオを回してみる。
先のページでは、地図上で静止画像を使って視界が得られていたかどうかを検証したが、さすがに、実際の立木や植え込みなどのこまごました状況まではわからなかった。
航空写真の解像度の限界もあったが、それでも目撃者の座席からの視界が悪くて、物理的に白バイをたっぷりの時間を掛けて見てられないはずだと結論を出した。今般貴重な再現ビデオが提供されたことで前回の検証を裏付けることができた。
ビデオを提供くださったお方のご尽力に感謝申し上げたい。

「雑草魂」ブログにコメントがあり、警察の主張をベースにした目撃者の視点を再現したビデオがアップされたことを知った。
そして、二人目の目撃者の証言も掲載され衝突地点のその瞬間の状況がより鮮明になった。

さっそく、そのビデオをコマ送りにして分解してみる。
事故当時の3月3日は季節的には立木の葉が落ちていると想定され、このビデオよりは若干見通しがいいかもしれない。が、それでも幹や枝々が邪魔をして視界が悪かったことには違いがないと推定される。
その状況を意識しながら、警察の主張している衝突地点と目撃証言がうまくフィットするからどうかをみてみる。

     ■ Youtubeビデオ・「高知白バイ事故 警察の主張なら三谷(仮名)の視点はこのように」 --> こちら


「雑草魂」ブログのコメントを引用 --> こちら
顔アイコン  高知白バイ事件 三谷(仮名)君の視点

http://k1fighter2.web.fc2.com/Enzai/Kochi/EnzaiKochi65m.htm#top
三谷(仮名)君が警察の主張なら次のような視点になる。
http://jp.youtube.com/watch?v=pKhPt7KQfEs
三谷(仮名)君はバスの窓を開けていた。そして衝突の瞬間まで見てしまった。
http://jp.youtube.com/watch?v=MoGBnF_WHr8

М君以外にも、女子生徒も白バイを目撃していた。
「私は運転席の後ろから4列目、窓側に座っていました。バスが交差点の真ん中で止まった時、すごいスピードで走ってくる白バイが見えました。ぶつかるかもしれないと思って運転手さんのほうに目を向けた瞬間、ドンとすごい横揺れがした」

М君と女子生徒の視点は

http://blogs.yahoo.co.jp/jbh024470000/12159272.html

2008/7/8(火) 午後 4:08 [ jbh*2*47 ]


こちら <-- 前のページ
経過秒 スナップショット コメント
5
   ※お断り:
  この検証のなかでは、車の動きを全長9mのスクールバスと見立てて、位置関係を説明している


道路の端で一旦停止しているところから始まる。一旦停止したことは裁判で認定されている。駐車場の奥からいきなり道路に飛び出したのではない。

スクールバスの最前部がちょうど道路の端にかかっていて、右手からくる車両をやり過ごすために停止したままずっと待っているところ。
この地点は道路の端から6.5mで、そこが目撃座席の位置である。そこから見える視界を表している。

目撃座席の位置

※ このビデオに二輪車が写っていた。
ノボリの影で見えないが、そこの裏から二輪車が走ってくるのが見える。
見えるとわかってよほど注意して目を凝らしてないとみないと見過ごすかもしれない。立木の合間合間にしか見えない小さな二輪車を見つけることがどれほど困難であることの証になる。
ノボリ、大きな看板、植え込み、立木が視界を遮っている。

黄色の矢印の下にヘッドライトを点けて二輪車が向ってくるが、よほど目を凝らして、かつやってくることを意識した上でないとこのような障害物ばかりの視界では目で追えるものではない。
6秒 6 二輪車がやっと視界に入った

お断り:
誤解があるといけないが、この二輪車のコマは偶然見つけただけのことで、この検証とは直接に関係がない。
あえて、取り上げたのは事前に二輪車が走ってくることを知った上で、意識をそこに集中しないと見逃すであろうという現場の視界の悪さを説明したいがために取り上げたまでのことである。

6.5秒 6.5 この辺まで接近するとはっきり視認できるようになる
7秒 7 わずか2秒足らず。あっという間に駆け抜けている

この後、右手の安全確認がとれ、道路に進み出る
12秒 12 右方向の安全が確認できたので、車が動き出したところ。
目撃者の視点からの視界は悪いままであり、右手方向の道路状況はほとんどわからない
14秒 14 一旦停止での目撃位置からさらに3mほど進んだ地点。歩道の幅は3mである。

遠くの方の立木の並び間隔が細かくなり、余計に視界が悪くなる
15秒 15 手前近くの立木の間隔が広がり始め、すこし視界が開けてきた
が、いずれもバスが動いている途中であり、立木が邪魔して視界が悪いことに変わりはない。
16秒 16 ここまで来ると、やっと視界が開け始める。
とはいえ、立木の間を見るしかなく、ここまで来ても十分には見えない。

目撃座席の位置は道路の手前1.5mぐらい
17秒 17    視界がパッと開けたと思いきや
いきなり衝撃音がして、白バイがバスに衝突した瞬間である。

この間、わずか1秒足らず。

というのは、
ちょうどその地点、すなわち目撃座席が縁石の上に来た時にバスの右前部が警察が主張する衝突地点(道路の端から6.5m)に到達し、そこに白バイが衝突したと認定されているからである。

数コマ前から白バイを目で捕捉したままこのタイミングまできて、白バイが衝突するその瞬間を目撃したことになる。
視界が開け始めるのが1秒前のコマであり、その間、たった1秒弱の時間で白バイを発見してそのまま目で白バイの動きを追って、衝突の瞬間まで見届けたことになる。

警察・検察ストーリーでは以上のようになるが、はたしてそうだろうか!?
予告があったわけでもなく、白バイがいきなり目の前に現れて、つぎの瞬間にはガシャーンと衝撃音が響いたとなるのが合理性がある。
目撃どころではない。
「何が起きたかわからなかった」と、なるのが自然であろう。


下の写真から座席の位置を割り出している。目撃者の窓の位置はバスの先頭から6.5m強、ちょうど道路の縁石の上あたりに来ている。
目撃座席の位置 <-- クリックで原寸大

前のページ <--


■■  警察・検察ストーリの衝突地点では目撃証言をきっちり適合できず、よって合理性が得られない  ■■


1. 事故現場の原点であり、検証の出発点であるはずの衝突地点の認定が杜撰かつ極めて怪しくなっている。
2. 実車を使い、衝突状況の再現検証を行って、疑念を払拭しなければならない。

衝突地点でのバスの位置 <−− クリックで原寸大

地図の上に警察・検察が主張する衝突地点と、バスの座席配置を載せて、向ってくる白バイを目撃座席から見つけることができるかどうかを検証した。
警察ストーリーでは植え込み、立木が邪魔をして視界が得られず、目撃者たちの目には突如として白バイが現れたと映るであろうとみていた。
  
   ■ 衝突位置 検察ストーリーは実地検証に耐えうるか --> こちら
   ■ 衝突の瞬間まで見ていた生徒 窓を開け、顔を外に出して見ていた --> こちら
 


以上が警察・検察ストーリーである。

今般新たに弁護側が主張する衝突地点からみたところの、視界がクリアに検証できる写真がアップされた。
道路がカーブして見えなくなる地点(ほぼ130m先)までクリアに見通せる視界がある。
二人の目撃者が見ていた視界であり、白バイが100kmほどで向ってきたら4秒ほどじっと眼で追える時間があった視界である。

   ■ 高知白バイ事故 三谷君(仮名)の視点 --> こちらの写真 (必見)

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内容紹介
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白バイは“黒バイ”か
地方局記者が執念で迫る

「これです」
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路面には黒々とした二本の筋。
裁判で有罪の決め手となった、スクールバスの「ブレーキ痕」だ。

「このブレーキ痕は、警察が捏造した疑いがあります。これは冤罪ではありません。警察組織の犯罪です」

――二〇〇六年三月三日午後二時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道五六号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(二十六)が死亡。
バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。
その後、高松高裁、最高裁と判決は覆らず、二〇〇八年十月、片岡さんは獄中の人となった。

香川県と岡山県を放送エリアとする地方テレビ局「KSB瀬戸内海放送」。
同局の報道記者である著者のもとに突然、見知らぬ男性から電話が掛かってきた。
男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。
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藁をもすがる思いで、かすかなつてを頼って県外の地方局の記者に連絡してきたのだ。

この一本の電話をきっかけに片道三時間半、著者の高知通いの日々が始まった。
法廷の場で結審されたとはいえ、不可解な点が多々ある高知「白バイ衝突死」事故。
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