++ 『あの時,バス,止まっていた』高知白バイ事故まとめ++


2011.9.18 2009.11.3 2008.3.3 2008.1.9 2007.12.23 2007.11.27初版

あの時、バスは止まっていた 真っ向から対立している争点  高知白バイ事故まとめ


    煎じ詰めれば2つを根拠にして裁判ストーリーが展開している。

    その2つというのはいずれも警察が用意したもので、弁護側が準備した証拠・証言を全て却下したためにこのような前代未聞の事態に発展した。
    極めて不適切、かつ異常な状況下での地裁、高裁の判決となった。

    20人を超える規模の生徒、先生、第三者の人々が事故に直接、間接的に係わっていて、第三者の証言などを総合すればどこからも文句がでない、簡単に事故状況を明らかにできた事故だった。
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次の2つだけで裁判ストーリーが進められた。信じられないことだが裁判所の現場では弁護側の証拠・証言はすべて無視された。
1. 現場見取り図  (ブレーキ痕、さっか痕などを含む)
2. 目撃隊員の証言

※各争点とも上段・水色は弁護側、下段・無地は警察・検察・裁判所の主張を掲載。判決理由文などより転載して作成している。
暫時更新し、追加変更途中である・・・
事故白バイのまとめ --> 再現ビデオ
争点 証拠 主張の確からしさ、印象
主張 その根拠 (各争点とも上段・水色は弁護側、下段・無地は警察・検察・裁判所の主張) 違法性
実況見分に立ち合わせなかった 弁護側:
警察の対応が不自然
実況見分に被告人や品原を立ち会わせず,吉岡と同じ白パイ隊員のA隊員しか立ち会わせなかったことなど警察の対応が不自然である。   校長は土佐署に行ってそこで初めて目撃内容を話している。現場では事故を目撃したことのみを話しただけ。
「実況見分に立ち会わせる必要が乏しい」とゆっておきながら、なぜ校長をわざわざ現場から引き離して土佐署まで連れていったのか?

極めて不自然である。

目の前で目撃した校長にその場所にとどまって見られたらマズイことがあったから必要もないのに連れ去ったのだろうと、だれも思うだろう。
警察:
不自然であるとはいえない
被告人を立ち会わせなかった事情やそれが違法あるいは不当でないことは上記のとおりである。
被告人車の後方で自分の自動車を運転して追従中の品原は,吉岡車が被告人車の直前に進行するまでそれに気付かなかったもので,白パイ隊員で交通取締り中に衝突の相当前から目撃していたA隊員がいる以上,衝突状況等を明らかにするための実況見分に立ち会わせる必要が乏しいから,実況見分にA隊員しか立ち会わせなかったからといって,警察の対応が不自然であるとはいえない。
 
衝突位置 弁護側:
9.5m
C地点
白バイが倒れていた地点
  この地点に白バイの破片などが集中していて、ここが衝突地点と考えるのが自然であろう。

この交差点では、通常、右折の場合にはこの地点で一旦停車して安全を確認する。通常の停車地点までたまたま偶然バスが白バイを引きずってきたということになるが、偶然にしてはできすぎた話ではないか。
そうではなく、はじめからこの地点にバスは止まっていて、そこに白バイが突っ込んできたとすれば現場の周りの破片の散り具合をみても違和感がない。
この地点まで引きずって来たと裁判は認定しているが、バスの最終の前輪位置をみても「右にきられている」のが証拠写真に残されている。
ハンドルを右に切ったまま引きずったのか、これをきちんと説明するできるだろうか。
警察:
6.5m
6.5m B地点
6.5mが衝突地点で、そこから2.9m白バイを引きずった。

6.5m衝突地点
高知地裁のカタタ裁判官は、バスの前方に飛び散った破片やボックスから飛び出た荷物などを無視してパトライトの破片一個のを根拠にして・・ 白バイとバスの衝突地点を路側帯から6.5mの地点と「判決理由文」の中で結論付けている。

支援者さんサイトにある写真の上でクリックすると原寸大の写真が現れる--> こちら

刑法156条 警察・検察が主張する衝突地点には赤色パトライトの小さな破片が一個だけぽつんとある。
それを根拠に衝突地点が認定された。白バイが倒れている地点周りの多量の破片と本体は全て無視された。

一個だけそっと置いたような不自然さで、そのほかには破片がない。さらにこの地点から白バイを引きずったとされているが、路面にもそれを示す痕跡も見当たらない。
ブレーキ痕 弁護側:
捏造だ
関係者も含め、誰も見てないブレーキ痕。ブレーキ痕は写真の中にしかない
その写真を見せられたのが2006.11、8ヶ月後の検察庁だった。
  車体左側にあるはずのブレーキ痕の写真が裁判に提出されてないことが分かっている。左側の写真は何枚かでているが、左前輪とブレーキ痕が一緒に見える構図の写真は一枚もふくまれていない。これは何を意味するか?

右側面の写真は何枚も出していて、ブレーキ痕にそれほどの自信があるなら左側も積極的に出してくるはずである。
が、130枚余の中には一枚もなかった。な〜ぜ?
ブレーキ痕が映っている写真がないので出せなかったのか? いや、持ってないとゆうなら極めて不自然なことである。写してなかったという理由を誰が信用するであろうか。
  その秘密は?→ あとから描いたから。
だれも見たことがない左側のブレーキ痕の写真
クリック↓でリンク先へ
th_mioGALAm1_01_2.jpg


※さらに奇妙なことに、後輪の痕跡がない!!
前輪よりは後輪の方により鮮明に、そしてより長く付くはずの後輪ブレーキ痕が、カケラもない。
自動車メーカの設計者があり得ないと証言している。
警察:
写真に写っている
時間経過で濃さが変化し、その長さまで変化した。おたまじゃくしのようなものを、写真に写っているから「ブレーキ痕」だと主張。  
生徒、校長らの証言 弁護側:
急ブレーキはなかった
急ブレーキなど体感していません。バスは停止していた   生徒ら誰一人として急ブレーキの衝撃を体験してないと証言していて、証言台に立つと決意したのに、裁判長は無残にも却下した。
バスの乗員達が前方につんのめる衝撃を全員が否定している証言に矛盾はなく、横揺れ(白バイの衝突による)を証言していることに合理性がある。
すでにバスは停止していて、そこに白バイが突っ込んできた衝撃で横揺れしただけで、そこに「横滑り論」でスリップ痕がつく余地もない
    ↓
よって、1mを超える長さのブレーキ痕は付くはずがないといえる。
警察:
ブレーキ痕が証明している
写真の中の、それも右前輪しかないものを証拠と主張して、生徒らの証言は信用できないと決め付けている。  
A隊員の証言 弁護側:
信用できない
@A隊員は,中央分離帯に存する植樹の隙間から白パイのライトらしきものが見えたので,白パイが来ているのが分かった旨供述しているが,当時の植樹状況,国道のわん曲状況,晴天の日中であること,吉岡車のライト点灯状況が不明であることに照らして不自然である。
AA隊員が,トンネルを通過しカーブを曲がった直後に約80メートル離れた地点から吉同車の状況を正確に見ることができたか疑問がある,
B瞬時の目撃で対向してくる二輪車の速度を判定することは極めて困難である,
  分離帯の植え込みに遮られ、そもそも吉岡車を視認できなかった蓋然性が高い。
    ↓
その後の実地検証で178m先は絶対に見えないと判明した。
警察:
信用できる
@の被告人車の認知可能性の点・・・
正確には,A隊員は,上記植樹の隙間から二輪車のライトらしきものが見えたので,二輪車が来ているのが分かり,その二輪車が中央分離帯に植樹が全く存しないF地点に至った時に白パイであると分かった旨供述している(59項等)のであり,その視認状況は,国道の状況とも符合しており,何ら不自然ではない。
なお,白パイは,エンジンキーを挿入すれば,自動的にライトが点灯する仕組みになっている(A隊員の原審供述65項)。

Aの証言の正確性の点・・・
A隊員は,平成11年4月から交通機動隊に所属し,白パイ乗務歴7年を有しており,目撃時も白パイで交通取締り中であって,道路交通の状況を注意しながら時速約50ないし55キロメートルで進行していたから,
A隊員が,対向車線とはいえ,約80メートル離れた地点から吉岡車の状況をほぼ正確に見ることができたことに疑問はない。

Bの速度判定の困難さの点・・・
A隊員は,上記の白パイ乗務歴を有し,取締りの必要のため,年に一,二回は進行中の車両の速度を目測する訓練をしている上,日ごろの取締中にも目測能力を養う努力をしているから,吉岡車が時速約60キロメートルと判定できたことに疑問はない。


刑法169条虚偽罪 白バイのVFR800P(メーカー形式 RC49)は、保安基準が変わってから生産されているバイクでイグニッションキー(エンジンキー)をONにした時点でヘッドライトが点灯する。 これは保安基準改正後に生産された二輪車全部に適用され、 故にライトを点灯・消灯させるスイッチはない。
白バイは「特殊用途車」というだけの事で、決して「だから保安基準に適合しなくてもOK」などという特例はない。緊急自動車として走行する場合の灯火類とサイレン装置を付加し、公安委員会から指定除外車両(取締りや警邏等の公務に際して標識等の制限にある程度の部分で従わなくても良いという許可)を受けているだけに過ぎない。従って、「警察車両だから保安基準に従わなくて良い」などという無法は通らない。
証言と動画で、点灯していなかった確からしさがある。
となると、スイッチを不正に改造して取り付けている疑いがでてくる。

走行中で、しかも対向車のスピードを60kmと目測できるかはなはだ疑問。
高知県警科学捜査研究所(科捜研)技官の証言

第5回公判傍聴録
弁護側:
「バスの速度は15km/h〜16km/h」は現場検証をした警官の証言10km/hと大きく違う算定結果だ
運動エネルギーは速度の2乗に比例するが この算定では下限と上限の差が激しく証拠として使えないと考える。  28km/h時の衝突エネルギーと54km/h時の衝突エネルギーは大きな違いがあるはずだ。
「なんだ このやり取りは?」と傍聴人が感じた。なんとか 検察官が自分の意に沿う答えを求めようとだした質問・・・
正確ではありませんがそんなやり取りでした。 「バイクの制動距離が長い」と言う答えを期待していたのは 何故なんだ? そのヒントは第3回公判録の証人Bさんの証言と第4回公判の証人Cさんの証言にありました。
信じられない。 前輪に荷重が掛かると摩擦力が上がりスリップしにくくなるはず。 摩擦力が強い方がスリップしにくいのは常識だ。 氷の上を考えたらわかる
この証言 私の経験則に大きく反する。 よく大型車のスリップ痕をみかけるが あれが 前輪のものとは思えない
  それにしても ABS装着車(バス)がスリップ痕を残したことへの説明が無い
  自動車メーカー勤務20年以上、うち5年ぐらい車の足周り技術を担当、整備士資格アリ、自動車メカの著書あり、な私から御意見。技官Gの「前輪がスリップします」というのは偽証です。

車が制動するとき、車の重心が前方に移るため、前輪軸重が大きく、後輪軸重が小さくなります。この結果前輪の接地面圧が上がりますが、後輪は接地面圧が下 がり、スリップしやすくなります。したがって、制動時の車輪ロックは後輪から起こりますが、前輪のみのスリップは通常起こりません。

そもそもABSは車輪のスリップを防ぐ装置であり、タイヤのスリップ痕は付きません(笑)。これは、「事故処理の際に注意するよう」自工会レベルで警察組織へ伝達されているはずです。

「制動により荷重が前輪にかかり〜」という所で、“荷重がかかるからスリップする”という部分が違うという意味です。
スリップしやすいのは前輪か後輪かについては、ブレーキ油圧を前後輪に配分するメカ(PCV)の設定(車種特性)や、乗員や積荷の状態など影響を受けます。とくにバスは乗員数と着座位置によって軸重変化が大きいと思います。
多くの要素が絡むので、机上論でああだこうだ言っても仕方ない気がします。
したがって、その車で同じ状況を再現して実証するのが一番なのです。 ただし、ABSでスリップ痕が付くというのは、前言通り「あり得ない」話。
警察:
証人Gは科捜研にて交通事故鑑定暦およそ20年。200件の事故鑑定を行っている。一流と言われる大学院卒で、科捜研にて物理的な部分を担当している。
「速度算定の資料は、実況見分調書と車両の損壊状況」
「損壊状況は白バイについては実物を検証」
  「バスの損壊状況、およびスリップ痕とさっか痕は写真を参考。」
  「算定は運動保存の法則を利用する。」
「バスの速度は15km/h〜16km/h」 スリップ痕より算定
「白バイは28km/h〜54km/h」白バイと(実物)バス(写真)の損傷より判定
検察官「バイクと自動車の制動距離に差はありますか?」
 技官G「ABS付きの場合ほとんど差はでません」
 検察官「差がでないんですか?」
 技官G「二輪と四輪の制動距離はほとんど差がありません。」
検察官がさらに「差がでないんですか?」と重ねて質問し、この時、検察官は技官の答えに「不満そう」な表情を見せた。
検察官「例えばですね・・雨が降ったり。風が吹いたりした場合はどうですか?」
補足(バイクの制動距離は四輪のそれにたいして長くなるのではといった意味)
(事故当時は快晴、風は吹いたとしてもそよ風程度だ)
 技官G「その場合は出る可能性があります。」
  検察官「バイクの方が長くなると言うことですね」
 技官G「そうです。」
検察官「前輪のみにスリップ痕がつく場合はありますか?」
  技官G「よくあります。」
 (よく道路で見る2本のブレーキ痕は前輪のものなのか)
裁判官「そういうことはよくあるのですね?」または「そういうことはよくあるのですか?」と確認の質問
  技官G「はい。制動により荷重が前輪にかかり、前輪がスリップします。」
検察官「証人は20年くらい 鑑定をされているのですが、その経験上はどうでしたか?」
   技官G「はい 私の経験上、スリップ痕が2本の場合、そのほとんどが前輪のスリップ痕です。」
 

事故白バイのまとめ --> 再現ビデオ

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ISBN-10: 4797353899
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白バイは“黒バイ”か
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「このブレーキ痕は、警察が捏造した疑いがあります。これは冤罪ではありません。警察組織の犯罪です」

――二〇〇六年三月三日午後二時半頃、高知県旧春野町(現高知市)の国道五六号で、高知県警の白バイと遠足中のスクールバスが衝突し、白バイ隊員(二十六)が死亡。
バスの運転手、片岡晴彦さん(五十二)は現行犯逮捕された。
同年十二月には業務上過失致死罪で起訴され、翌二〇〇七年六月には禁固一年四カ月の実刑判決が高知地裁で下された。
その後、高松高裁、最高裁と判決は覆らず、二〇〇八年十月、片岡さんは獄中の人となった。

香川県と岡山県を放送エリアとする地方テレビ局「KSB瀬戸内海放送」。
同局の報道記者である著者のもとに突然、見知らぬ男性から電話が掛かってきた。
男性は、「この裁判は作られたものだ」と訴えた。
事件が発生した高知県のマスコミは、どこも耳を貸してくれない。
藁をもすがる思いで、かすかなつてを頼って県外の地方局の記者に連絡してきたのだ。

この一本の電話をきっかけに片道三時間半、著者の高知通いの日々が始まった。
法廷の場で結審されたとはいえ、不可解な点が多々ある高知「白バイ衝突死」事故。
本事件の闇を徹底的に追った渾身のルポルタージュ!

◎テレビ朝日『報道発 ドキュメンタリ宣言』の放送で大反響!
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