村岡元官房長官 逆転有罪 料亭にいた3人はみんな不起訴、起訴猶予の摩訶不思議 |
ヤミ献金 疑惑解明されず
一億円ヤミ献金事件で東京高裁が十日に言い渡した逆転有罪の二審判決。政界に広く裏金がばらまかれた疑惑は解明されないまま、刑事訴追されていないほかの大物政治家たちと、派閥幹部でただ一人起訴された元官房長官村岡兼造被告(七五)の格差″を際立たせる形となった。
東京地検特捜部はまず二〇四年四月、診療報酬改定を審議する「中央社会保険医療協議会」を舞台にした汚職事件を摘発、当時の白歯連会長や元社会保険庁長官を立件した。
同年七月、特捜部は吉田幸弘・元衆院議員の横領事件と選挙違反事件を摘発。同じころ、自民党旧橋本派への一億円ヤミ献金が発覚した。
家宅捜索で得た白歯連の会計帳簿から、医療政策に絡んで、自民党の政治資金団体「国民政治協会」に献金したように装い、実際は特定の政治家に裏献金していたとの疑いも浮上した。特捜部は元厚生労働政務官や自民党三役経験者の立件も検討したが、検察上層部が難色を示し、断念するに至った。
結局、特捜部は同九月、派閥の会計責任者だった滝川俊行・元同派事務局長に続き、村岡元官房長官を在宅起訴して捜査は終結した。