冤 罪

    2008.9.6 2007.2.18初版

    誤認逮捕された男性の急死 "容疑者"レッテルのまま 三重県警

    誰にでも、どこでも、いつでも、起こりうる事態である
    異例に公開された写真の女性に名乗り出てほしい
    これでは亡くなったお方は浮かばれない

    中日新聞2007.2.18 からのスナップショット
    中日新聞070218
    誤認逮捕された男性の急死 "容疑者"レッテルのまま
     三重県四日市市のスーパーの現金自動預払機(ATM)コーナーで二〇〇四年、市内の男性=当時(六八)=が泥棒と間違えられて警察官に取り押さえられ、翌日に死亡した誤認逮捕″事件で、男性の妻(六六)は今月一日、県に約五千七百万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。県警は「真相究明ができるまで誤認逮捕とは認められない」とするが、真相解明抜きになぜ遺族に謝罪できないのかと素朴に思う。県警には何の落ち度もなかったのか。

     事件は、〇四年二月十七日午後一時十分ごろ、ジャスコ四日市尾平店で起きた。現金を下ろそうとした男性が、ニ〜三歳の子どもを連れた若い女性に後ろから肩をつかまれ「泥棒」と叫ばれた。男性は周りの買い物客六人に取り押さえられた。
     たまたま別の万引事件で店内にいた四日市南署地域課の巡査部長(五九)と巡査(三二)に「ATMコーナーで強盗事件が発生した」と連絡が入った。二人が駆け付けると女性の姿はすでになく、巡査部長が女性の行方を追い、巡査が男性の身柄を引き受け窃盗未遂の現行犯で逮捕した。

     「放せ」「何すんのや」と無罪を主張する男性に、巡査は床に押しつけて後ろ手に手錠をかけた。押し付けたまま約二十分たち、男性は嘔吐して意識不明に。病院に運ばれたが翌日死亡した。死因は強いストレスがかかったことによる高血圧性心不全だった。

     防犯ビデオの映像から、男性は現場で何もしていないことが判明した。しかし、県警幹部は「これは刑事事件。ビデオの映像の前に男性と女性の間に本当に何もなかったのか。それを疑わないといけない」とあくまでも慎重だ。「とにかく、女性の話を聴いてからでないと」と釈明する。

     しかし、鍵を握るこの女性の行方は不明のまま。三十歳くらいまでで肩までの茶髪と言うことしか分からず、県警は被害者″のこの女性のビデオ画像を異例の公開までして捜索したが、手掛かりはつかめず、三年がたった。

     その間、亡くなった男性に容疑者″のレッテルは張られたまま。遺族が求めるのは男性の名誉回復だ。
      訴状で遺族側は、巡査は客から身柄を引き受けた際に現行犯逮捕が正当かを確認する義務があったのにそれを怠り、限度を超える違法な制圧を行ったのは過失だったと主張。提訴後に記者会見した遺族側の弁護士は「警察官が刑事訴訟法にのっとった適切な行為をしたかどうかを問いたい」と話した。

     これに対し「荒れた現場だった。対応にミスがあったとまでは言えない」と県警幹部は反論する。ビデオには女性を捜して犯行を確認しようと、現場周辺を駆け回る巡査部長の姿が映っていた。巡査も「強盗と聞いて現場に行った。周囲には買い物客の女性や子どももたくさんいて、絶対に逃げられてはいけない状況だった。二十分間もの長い間というが、必死に取り押さえていれば、あっという間」と話し「不幸の連鎖だった」と漏らす。

     県警側にどの程度の過失があったかどうかは、これから法廷で問われることになる。しかし私が強い疑問を抱くのは、事件後の県警の対応にある。遺族の身内には県警関係者がいた。「その家族や親せきに迷惑をかけるのではないか」と男性の妻は悩み、一度は提訴を断念しようと考えたという。それでも「あまりにもむごい形」で死んだ夫の汚名を晴らしたいと提訴に踏み切ったのだ。
      女性が本当に被害者だったかどうかの責相究明を抜きにしても、逮捕者を死なせたという事実だけで、少なからず過失があったと言えるのではないか。県警が早い段階で過失を認め、誠意ある謝罪をしていれば、遺族に三年もの間、苦悩を与え続けることはなかった。

     遺族は巡査を、業務上過失致死容疑で告訴することもできたが、しなかった。遺族側の弁護士は「遺族の希望は警察官個人の責任ではなく、男性の名誉回復と事件の貞相解明」と説明した。  問われているのは、一人の警察官の過失責任ではなく、自らの過ちに向き合わない組織としての県警の姿勢ではないか。 矢野修平(三重総局)
    「四日市ジャスコ誤認逮捕」などで検索できる。

    969 :名無しさん@九周年:2008/09/06(土) 15:33:20 ID:qW8DcThR0
    おまいら、
    四日市ジャスコ(オビジャス)の駐車場で、
    おじいさんが無実の罪で警察官に制圧されて、
    20分間も背骨に全体重をかけられて、口から血反吐を吐いて
    死亡した事件、忘れてないよな

    あの事件、警察は一切責任を取ってないから。

    警察から「黙ってろ」と命令されていた、おじいさんの奥さんが
    「これ以上、我慢できない」と裁判に訴えた。

    あのあと どうなったのかな

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